NY株式市場ウォッチ by ちわひ

アメリカ在住の「ちわひ」による、読めばニューヨーク株式市場の相場感覚が身につくブログです。

複利マジック

複利のパワーはすごい

そういう言葉を見聞きしたことはありませんか?

多分あると思います。

それを今更説明してドヤってもしょうがないのでここでは軽くおさらいします。

年間の利回りが10%の投資案件があるとします。

100万円を投じて放置した場合、一年後には110万円になりますね。

ではそのまま放置していたら二年後には、110万円の110%、121万円になりますね。

毎年10%ずつ積み上がって、110、120、130と増えていくイメージですが、増えた分を再投資している場合は、110,121,133.1と、資産は加速度的に増えていきます。

巷で言われているのは、この青い線じゃなくて、赤い線なんだよ、すごいでしょ、ということです。

これが複利のパワーです。

ちなみに10年後には259.4万円になっています。

お金を投資に回すとその間使えなくなりますが、このように増えていく可能性がありますので、とりあえず急ぎ使いどころのない余ったお金は残らず投資に廻すことをおすすめします。

人間は得に鈍感

10年後にたったの259.4万円にしかならないの?

そう感じるかもしれません。

人間は得には鈍感です。

そして貪欲で欲の深さにはきりがありません。

これが100万円だったらこんなもんか、と思うかもしれませんが、これが1億だったら、2億5940万円になるということです。

これだけあればそこから先は働かなくても暮らしていけそうですね。

損に敏感

逆にこれがあなたの借金だったらどうしますか?

貸主からすればあなたに投資したわけですから、きっちり利益を得ることを期待しています。

年利10%で100万円借りて、すっかり忘れて放置していたら、10年後には返済額が259万円になっています。

あなたは元本に加えて差額159万円も稼いで返さないといけません。

もう、理不尽に感じるほどの暴利だ!と感じますよね。

1%の大きさ

例えば35年の住宅ローンで1000万円借りたとします。

検索して出てきたサイトでシミュレーションしてみると

金利が1%なら総返済額が11,855,786円、

金利が2%なら総返済額が13,912,786円、

金利が3%なら総返済額が16,163,350円です。

(固定金利、元利均等)

これも複利効果が効いているので、1%違うだけで100万円以上の差が出てきます。

お店に行って品物が1%割引だと大した額にはならず嬉しくもなんともありませんが、このように投資の世界では1%は非常に大きな意味があります。

いい借金、悪い借金

借金(負債)には利子がつきものですが、その借金によって得た資産を投資して利子を超える利益が出れば、よい借金と言えます。

例えば5%の利子の借金をして6%の利益を出せば、借金を返しても差し引き1%の利益が残り、投資をした甲斐があるというものです。

何かをするにはお金がいる

なにか儲かりそうなビジネスをしたかったとしても、元手となるお金がなく、参加できないということはあるでしょう。

そういうときに借金をします。

借金を返済できて更に利益が出るような借金はいい借金と言えます。

逆に生活のための消費で何も利益を生まない借金、ギャンブルのようにすっからかんになる可能性が高いことのための借金は悪い借金と言えます。

信用取引

株取引では信用取引といってレバレッジをかけることができます。

例えばレバレッジが3倍だと、あなたの持っている現金100万円を担保に証券会社からその2倍の200万円を借りて、合計300万円の株を買うことができます。

本来買える株の3倍多くの株を買うことができ、利益も損も3倍になるという仕組みです。

手っ取り早く資産を増やそうとしてレバレッジをかけて取引をする人がいます。

ただ、その借りた200万円には利子が付きます。

そしてその利子は驚くほど高かったりします。

私が使っているアメリカのETRADEは、私の弱小アカウントでは6%もの利子が付きます。

ということは年間6%以上の利益を出さないと損をするということです。

これではハードルが高すぎます。

お金を借りるのは(初回は)すごく簡単なのに、返すのはとても大変です。

とはいえ、証券会社はあなたの現金100万円を担保にしているので、買った株の価格が下落して含み損が100万円以上になる前に強制的に株を売り払って貸したお金を取りはぐれないようにしますので、借金返済のために更に現金を容易しなければならないということはありません。(FXなどでは追加で入金しないといけないシステムもあるようなので気をつけてください)

株の信用取引をするにはこの3つの条件を満たす時のみに行うようにしてください。

  1. 信用取引をするときの金利を知っている。
  2. 一年以内にその金利以上の利益が出ると確信している。
  3. そのポジションを購入したときの現金元本はすべて失ってもいい覚悟がある。

いい借金ができるケースはなかなかない

そう考えると、いい借金ができるケースはなかなかないことに気づきます。

「借金は怖いことではない」と吹聴する人もいますが、借金することによって事態が(借金しないときよりも)好転する場合だけ、そう考えるべきです。

恐れ過ぎも機会損失に繋がりますが、借金するよりもまずは自分で稼いで投資して、複利効果を使って自分の資産を増やすことが先決です。