NY株式市場ウォッチ by ちわひ

アメリカ在住の「ちわひ」による、読めばニューヨーク株式市場の相場感覚が身につくブログです。

含み益で喜ばない?

現金化するまで本当の利益ではない

一年前に1000万円で買った株が1200万円に値上がりしたので、あなたはとても喜んで売却しようと考えています。

しかし、今すぐに現金が必要なわけではないですし、少し欲も出てきたのでもうしばらく保有し続けようと、思いとどまりました。

一ヶ月後、5%ほど下がり評価額が1140万円になってしまいました。

あなたは考えます。

「失敗した!あのとき売っておけばよかった!」

しかし、また値が戻るかもしれないので、もう少し保有し続ることに決めました。

更に一ヶ月後、また5%ほど値下がりし、評価額が1083万円になってしまいました。

売ったら利益は出るけど、なんだか損した気分になる。

あなたはどうすればいいかわからなくなりました。

ある人はこう言います。

「含み益は本当の利益じゃない。確定(現金化)するまで喜ぶな。」

確かにあの、評価額が1200万円になったときに欲をかかずにさっさと売っていれば、今頃200万円の利益が出ていたことになります。

この人の言うことが今は身にしみます。

あなたも投資の経験があれば、これと似たような状況になった事があるのではないでしょうか?

では、どうするのが良いか?

確かに1200万円のときに売却していれば利益が最大化できていたはずです。

あのとき売っていれば・・・!

無理です。

誰にも未来は読めないので株価の天井はだれにもわかりません。

今回は1200万円を天井に下がっていきましたが、この後まだ上がっていたかもしれません。

完全な後付けです。

自分で振り返りをするときに、

「あそこで売っていればよかった。」

と反省をしてしまいがちですが、絶対に売ることなどできません。

意味のない反省です。

相場の格言に

「頭と尻尾はくれてやれ」

というものがあります。

天井あるいは底ギリギリを攻めるのではなく、頃良いところで売買をやってしまったほうがいいという意味です。

では、1140万円まで下がったあたりで売ればよかったのでしょうか?

この格言に則るならば、ここらへんが売りどきだったのかもしれません。

しかし、やはり当時の心境を考えると実行できない可能性が高いですね。

そういうときはTrailing Stopという売り注文を出すことができます。

(日本語ではトレーリングストップとカタカナで呼んでいるようです。)

Trailing stopとは、注文を出した瞬間から、最高値から何%(あるいは金額)下がったら自動的に指値の売り注文に変更するやり方です。

検索するとわかりやすく示した図がありました。

https://fbs.eu/img/analyticguidebooks/212/1519124950-8df8de33a974fd2ff8b409268fd5285f_1200x1200_q90v3.png

黒い線が株価の推移です。ジグザグしながら上がっていっていますね。

ここでは山が4つあります。

山ごとに最高値が更新されていっていますが、その最高値から指定された分だけ株価が下がれば売ってしまうという注文で、この例では4つ目の山の後の大きな下げが来ていて、その途中で、指定した分の下げ幅に到達したので売却となっています。

この機能を使えば、損切りも利益確定も自動で行えるのでとても強力です。

もし1000万円分の株を買ったときにTrailing stopで5%の売り注文を出していれば、1140万円ぐらいで売却できていたでしょう。

「頭と尻尾はくれてやれ」の「頭をくれてやった」状態だと言えます。

ただ、この下げ幅の指定が絶妙に難しいのが難点です。

あまりに下げ幅指定を小さく刻むとすぐに売りが発動してしまいますし、大きくしすぎると利益が薄くなってしまいます。

本当はこうするべき

 このTrailing Stopはうまく使えば非常によい注文の方法ですが、そもそもこのようなテクニックを使う状況にある人は、トレーディングをガッツリやっているような人だけです。

我々は長期投資です。

Trailing Stopなんて注文する必要はありません。

SPX系ファンドは一度買ったら、自分が現金を必要になるまで「ガチホで気絶」しておけばいいのです。

そして、むしろ値が下がっているのを見つけたら、慌てて売ったりせず、「今が買い増し時だ!」と追加投資するぐらいの気持ちでいいのです。

SPX系ファンドをガチホで気絶する投資法においては、含み益が出ているときは喜んでいればいいのです。

逆に含み益が減ったり、含み損が出ているときは悔しんでいればいいのです。

いずれの場合も、雨乞いのごとく「株価上昇の舞」でも踊って暮らしていればよいのです。

そもそも「気絶」するのであれば、値動きを追う必要もないですね。

 

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